軍事: 2009年12月アーカイブ

 間接アプローチ戦略とは、できるだけ損害を少なく戦いに勝つために、ぜひ理解してもらいたい方法論です。物理的な殺し合いをできるだけ避け、情報戦で同盟を作ったり、経済戦で経済封鎖をしたりする戦いです。「名将と呼ばれる人ほど間接アプローチをする」と、教育における革命にも書いてあります。名将と呼ばれたい人は、間接アプローチ戦略をモノにしましょう。

間接アプローチ戦略(かんせつアプローチせんりゃく、英:Indirect approach strategy)とは正面衝突を避け、間接的に相手を無力化・減衰させる戦略をいう。第一次世界大戦後、リデル・ハートによって提唱された。

概要

間接アプローチ戦略は国家戦略においては相手国と正面から武力衝突するのではなく、間接的な手段として同盟国への支援や、シーパワーを駆使した経済封鎖・通商破壊などの間接的な手段を用いて弱体化させ、政治目的を達成しようとする戦略である。軍事戦略レベルにおいては、単に敵の戦力を撃滅するのではなく、後方連絡線や指揮系統の破壊によって敵を無力化する戦略を指す。

戦争の原則

ハートの説く戦争の原則は、6つの積極的側面と2つの消極的側面から構成される。ハートは、これらの原則を絶対的な原則ではなく、経験則であると留保を入れている。

積極的側面

* 目的を手段に適合させよ
* 目的を常に念頭に置け
* 最小予期線を選択せよ
* 最小抵抗線を利用せよ
* 代替目標のある作戦線を選択せよ
* 状況に対する柔軟性のある、計画および配置を心がけよ

消極的側面

* 敵が防御態勢を整えている間は攻撃するな
* 一度失敗した作戦線で再攻撃をするな

間接アプローチ戦略 - Wikipedia

 注意が必要なのは、「目的を手段に適合させよ」という積極的側面の1番目の原則です。表現が分かりにくい。

目的に合わせて手段を考えるのではなく、手段に合わせて目的を考える。

簡単に言うと、「出来もしない事をやろうとするな!」ということです。

  • 戦術や戦略の計算をして、どうやって相手に勝つかトコトン考える。
  • あらゆる状況を考えて、勝てる見込みが高い状況にだけ戦う。
  • 勝ち目が無い場合は、勝ち目がある状況に変化するまで忍耐する。
  • 敵が襲いかかってきたり、 状況が悪化したりするのなら、事前に少しでも有利な状況を作ってから戦う。
  • 敵の戦術や心理を予想して、隙をつき、見えない攻撃をする。

などといったことです。孫子の兵法の計編第一でも、よく考えてから戦えと書いています。

別の効果として、間接アプローチ戦略を考えると、確実に頭が良くなります。まず、人の考えを理解してから行動しようとしますから、コミュニケーションスキルが上がります。心理の隙をつき、見えない攻撃をできるようになるということは、発想を逆転して自分の弱点も分かりますし、敵が自分と味方をどうやって奇襲攻撃するかも分かりますので、対策も立てられます。奇襲を受けても対策があるということは、逆境に強い、リスクを取れるということです。

こういうことができる人は、頭が良いと思いませんか?戦略論というのは思考の型、定跡です。ただ「考えろ」と言われて、「考えろと言われてもどうすりゃいいの?」と途方に暮れるという経験はありませんか?そんなときは思考の型を出発点にして考えると速いです。そんな戦略論の中でも間接アプローチ戦略は効率の良い方法なので、オススメです。

 

松浦彰夫 拝

 

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 イラン軍がイラクの国境のファッカ油田を占拠しましたが、これは第2のベトナム戦争になる可能性があり、その結果、第2のニクソンショックが起こる可能性があります。

 ベトナム戦争の概略は、以下のとおりです。

  1. フランスの植民地のインドシナを旧日本軍が占領
  2. 旧日本軍敗北、空白が生じる
  3. 共産主義勢力が独立宣言
  4. 帰ってきたフランスが南ベトナム政権を樹立、共産主義勢力は北ベトナムになる
  5. 南に駐留するフランス軍が北に攻撃し戦争勃発
  6. フランスが大敗したため、共産主義の拡大を恐れるアメリカが乗り出す
  7. 南はまともな人物が少ないところへ、無理に資金を注入したため、汚職がはびこる
  8. 南は権力闘争が激化し、政権交代の連続で戦争どころではなくなる
  9. 北が民衆の支持を得て多数派になり、南の内部にも内通者続出
  10. 南の統治が不可能になり、アメリカが撤退
  11. 北により統一される

 国家の統治を行なうには陸軍主体となります。陸軍はマンパワーなので、人口が多い方が有利です。

 南ベトナムは特権階級を優遇し、民衆を敵に回したので、少数派になり、多数派の北ベトナムに敗れました。

今のイラクでも、アメリカは特権階級を優遇し、民衆を敵に回したので、少数派になっています。歴史は繰り返しますので、北ベトナムにあたるイランに敗れる可能性が高いです。

イランはイスラム教のシーア派で、イラクもシーア派が多数です。

アメリカは、イラン・イラク戦争ではイランを封じ込めるため、イラクのイスラム教スンニ派のサダム・フセインを支援しました。その後、言う事を聞かなくなったサダム・フセインを排除し、軍隊を駐留しましたが治安が悪化。民衆の支持を失い、財政悪化もあり、順次撤兵する計画です。

 ベトナム戦争と良く似ていますので、イランによるイラクの併合はありうる話です。

 

 ベトナム戦争で、アメリカの経済は軍需産業は大儲けしましたが、他の産業は衰退しました。生産力が落ちたため物不足でインフレになりました。財政悪化に耐えられなくなったアメリカは、ドルと金との交換停止を宣言し、ブレトン・ウッズ体制の終了と変動為替相場制の開始を宣言しました。ニクソンショックです。

アメリカは1960年代後半から、ベトナム戦争や「偉大な社会」政策による財政赤字によりほぼ完全雇用の状態になり、インフレーションの加速や貿易赤字拡大などもあって、景気は過熱気味であった。

当時の通貨体制は、ドルと金との交換比率を固定し、各国通貨はドルと交換比率を固定することで通貨の裏付けとするブレトン・ウッズ体制下であった。

景気過熱で経常収支が悪化するアメリカは、やがて固定レートを変更しドルを切り下げるであろうと予測された。このため1969年頃から経常黒字国であった日本の円やドイツのマルクに対して投機が殺到するようになった。固定相場制度においては中央銀行が無限の為替を保証するため日本銀行やブンデスバンク(ドイツ連邦銀行)はドルを買い支えることになった。買い支えるということは、市中に円やマルクが放出されるということになる。マネーサプライが増えるため金利は抑制され、日本やドイツの経済も過熱気味になることになる。

ドイツは、第二次世界大戦前にハイパーインフレーションで経済を疲弊させた記憶があるため、ブンデスバンク(ドイツ連邦銀行)はインフレーションを親の敵のように扱い未然に防ごうとしていた。

また、日本も高度経済成長末期において巨大プロジェクトが目白押しであったため、アメリカの過剰輸入・資本輸出によるインフレーションは厄介であった。

このため、元凶であるアメリカの過剰財政支出への非難が強まることになる。

ニクソン政権はベトナム戦争と国内雇用維持のために財政支出を必要としており、ジレンマに悩まされた。そのように経済政策へ制約を課しているのは、とりもなおさず固定相場制度を軸にした通貨体制であった。そのためニクソン政権はブレトンウッズ体制放棄を決定した。ドイツはニクソンの発表後、金融政策の独立性が高い変動相場制度へ移行した。

ドル円相場などは一旦ドルが切下げられ固定相場制度が維持されたが、通貨価値保持が優先されなかったドルの売り浴びせは終わらず、ドル円間も変動相場制度へ移行した。

本来、「財政赤字とインフレと貿易赤字」という不均衡を解消する合理的手段は財政赤字の削減である。「財政赤字とデフレと貿易赤字」という組み合わせであれば合理的手段は通貨安である。このときのニクソン政権が取るべきであった政策は、とりもなおさず財政赤字の削減であり、ベトナムからの撤退(ベトナム戦争中)であった。しかし、軍事的地位の保持や、戦後アメリカ経済政策の究極的目標である完全雇用を前にして、ニクソン政権は通貨安という手段をとることになった。

ニクソン・ショックは、その後の1970年代の政策迷走、現代にも残る莫大な貿易赤字という不均衡を生み出すスタート地点となる。

ニクソン・ショック - Wikipedia

イラク撤兵に始まる第2のニクソンショックがどういうものになるかは未定ですが、アメリカが財政赤字を削減できなければ、インフレが起こり、更なるドル安になるでしょう。 

 

松浦彰夫 拝

世の中の物事は、人の思い通りにならないものが大半である。人が理想や願望を実現しようとするのならば、思い通りにならない物事をはねのけ、敵対者がいるならばそれに勝つだけの強さが必要である。

戦いにおいて、勝つのは強いからであり、正しいからではない。正しいだけではなく、強くなければならない。

強さは、数と質である。

まず、数について。1人より100人、100人より10000人が強い。1人が100人を殴り倒すのは難しい。

しかし、改革を行なおうとする者は、他の人とは違う発想を持っているからこそ改革者であり、常に少数派から始まる。よって、改革者は少数で多数に勝つ方法、1人で100人に、100人で10000人に勝つ方法で戦う必要がある。それが質の強さである。

少数で多数に勝つのが強さの質とすれば、その質はどう実現するのか。その方法としてさまざまな戦略論が考えだされた。その中に、間接アプローチ戦略海軍戦略がある。

間接アプローチ戦略は国家戦略においては相手国と正面から武力衝突するのではなく、間接的な手段として同盟国への支援や、シーパワーを駆使した経済封鎖・通商破壊などの間接的な手段を用いて弱体化させ、政治目的を達成しようとする戦略である。軍事戦略レベルにおいては、単に敵の戦力を撃滅するのではなく、後方連絡線や指揮系統の破壊によって敵を無力化する戦略を指す。

 戦争の原則
ハートの説く戦争の原則は、6つの積極的側面と2つの消極的側面から構成される。ハートは、これらの原則を絶対的な原則ではなく、経験則であると留保を入れている。

 積極的側面

  • 目的を手段に適合させよ
  • 目的を常に念頭に置け
  • 最小予期線を選択せよ
  • 最小抵抗線を利用せよ
  • 代替目標のある作戦線を選択せよ
  • 状況に対する柔軟性のある、計画および配置を心がけよ

 消極的側面

  • 敵が防御態勢を整えている間は攻撃するな
  • 一度失敗した作戦線で再攻撃をするな

間接アプローチ戦略 - Wikipedia

 

最も原点にたちかえって見ると、海軍国と陸軍国の本質的な違いというのは、(海に面しているかそうでないかというのは当たり前すぎるから論じないことにすると)海軍国の側は相対的に人口が少ないということが決定的要因をなしていた。
つまりその人口の少なさゆえに、大陸の巨大な陸軍国と対等に渡り合うだけの陸軍を編成することができず、その弱点を補うため海軍という別種の武器に自国の国防を委ねたわけである。

海軍戦略入門 NO1

多数派は、正面から衝突すると少数派より強い。しかし、正面から衝突するだけが戦いではない。経済戦や情報戦も存在する。少数派としては経済戦や情報戦をしかけるのが有効である。

経済戦について。人数が多ければ、それだけ多くの人を食わせていかなければいけない。多数派は少数派より多くの資源を必要とする。多数派は少数派より、資源の枯渇に対し弱い。

情報戦について。人数が多ければ意思統一に時間がかかるので、多数派は自己の人員に対し愚民化政策を行い、重要な情報を教えずに都合の良いロボットにしようとすることが多い。よって、多数派は判断力が弱く、変化に応じた行動を取れない人員が多いので、少数派が情報力において勝つ余地がある。

少数者である改革者は、知的な交易路、つまりアカデミズム、知的根拠を押える論理的な海軍を持つことが有効となる。これにたいし、多数者である反対者は、大量生産大量消費の論理的な陸軍を持っている。

 

論理的な海軍が水素文明、陸軍が炭素文明である。

資源を無限に大量に消費できるのならば、炭素文明のままでも問題なかった。しかし、石油枯渇が目前であり、エネルギー資源が急減するならば、炭素文明が本質的に大量生産大量消費であるので、食わせていけない人を大量に抱える事になる。多くが無職になり、国家財政も悪化し保障も受けられない。餓死、発狂、犯罪、自殺が増加する。

これらの解決には、根本的な発想転換が必要となる。その発想転換が水素文明である。水素文明は論理的な海軍なので、海軍の法則、海軍の戦場の掟に従う。

マハンの理論によれば、海軍戦略には三つの重要な原則がある。それらは
①「集中の原則」
②「根拠地の原則」
③「国際政治と不可分の原則」
の三つである。

海軍戦略入門 NO1

 ①「集中の原則」

海軍対陸軍であれば、海軍は少数で陸軍に対応できる。船が無いと海に進めないからである。

しかし、海軍対海軍の場合、数の勝負となる。海上では姿を隠すものがないため、自分が攻撃するときは相手からも攻撃できる。アカデミズムの世界で議論するときも、自分の説を発表し、反論と検証を受け付けなければならない。戦力は、分割するより一カ所に集中するのが有利である。

 ②「根拠地の原則」

 軍艦には、燃料、弾薬、船員、食料、水、修復などが必要であるため、それらを補給できる根拠地が必要である。また、資源の生産地と消費地を結ぶ連絡線であるシーレーンの防衛が必要であるため、シーレーンの側に根拠地が必要である。①「集中の原則」と関係して、根拠地が敵の戦力を分割できる場所にあれば有利である。逆に根拠地が各海域に分割され、それらの連絡が難しい場合、不利である。

③「国際政治と不可分の原則」

海軍は本質的に陸軍を封じ込めるものであるため、陸軍国との国際政治に対応して行動しなくてはならない。①「集中の原則」と関係して、海軍国の中の多数派にならなければ不利になるため、他の海軍国との国際政治も重要である。②「根拠地の原則」と関係して、根拠地を得て、維持するためには、根拠地となる島や港との国際政治も重要である。

 

コミックマーケットの動員は、海軍戦略にそって行動する、訓練と実験になります。

①「集中の原則」にそって、戦力を集中させます。

②「根拠地の原則」にそって、発表する書籍、「ソフトウェアにおける革命」が根拠地となります。

③「国際政治と不可分の原則」にそって、この活動により存在感を示す事により、世界に影響を与えます。

 

松浦彰夫 拝

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