鋼の錬金術師というアニメがあります。
錬金術、それは「等価交換」の原則のもと、物質を理解、分解、
そして再構築する、この世界で最先端の科学である。
この錬金術において、最大の“禁忌”とされるもの「人体錬成」。
亡き母親を想うがゆえ、禁忌を侵し、全てを失った幼き兄弟。
巨大な鎧に魂を定着された弟、アルフォンス・エルリック。
機械鎧(オートメイル)をまとい、「鋼の錬金術師」の名を背負った兄、
エドワード・エルリック。
二人は失ったものを取り戻すため、「賢者の石」を探す旅に出る。
兄弟は「賢者の石」の真実に近づくにつれ、大きな陰謀の渦中へと突き
進んでいく。
暗躍する人ならざる者たちの存在。
徐々にその本性をむき出しにする軍事国家アメストリス。
虐げられた民の果て無き憎しみと復讐の念。
錬金術がもたらす幾多の悲劇。
点在する悲劇は、やがて線になり、人を、民を、そして国すらをも巻き
込んでいく。
兄弟は絶望と希望の狭間の中、それでも前に進む--。
エルリック兄弟は、亡くなった母を甦らせようと禁止されていた人体錬成を行うが、「等価交換」の法則の反動で、自身の身体を失います。兄弟は失った体を取り戻すため、「賢者の石」を求めて旅に出ます。
錬金術師である父の影響か、幼少時より弟アルフォンス(アル)と共に錬金術の初歩を独学で修得、才能の片鱗を見せる。5歳の頃に母を亡くしたことから、弟と共に人体錬成によって母を生き返らせることを目標とし、9歳の頃2人の師、イズミ・カーティスの下で錬金術を学んだ後に帰郷し、11歳で人体錬成を行うが失敗。失敗の代償は大きく、エドは左足を、アルは肉体の全てを失った。更にエドは右腕を代価とし、アルの魂を錬成したため右腕をも失ってしまう。
深い絶望に陥ったエドであったが、マスタング中佐(当時)の勧めで国家錬金術師になる事を決意する。その後は、失った右腕と左足を機械鎧(オートメイル)と呼ばれる義手と義足で補い、12歳にして国家錬金術師の資格を取得。「覚悟を決めるため」として自らの家を焼き払い、失った手足と弟の身体を取り戻す方法(賢者の石)を探すため、アルと共に旅に出る。
「賢者の石」は、人間の魂を材料にするという、おぞましい方法で作られていました。自分達のおこがましさを知ったエルリック兄弟は、賢者の石に頼らないことを誓い、政府の陰謀を阻止するために戦います。
そして4年にも渡る旅と、ホムンクルス達との戦いの末に賢者の石の正体=生きた複数の人間が材料である事実を知り、賢者の石に頼り切って同じ過ちを繰り返そうとしていた自分達のおこがましさを自覚、賢者の石に頼る事を諦める。だが結果として、賢者の石への執着を捨てた事が兄弟にとって心身共に大きな成長へと繋がる事となった(それ以降、賢者の石を見せられても欲しがったり自分から使おうなどとは二度とする事はなかった)。同時にアルの肉体の居場所とホムンクルス達の目的を知ったため、賢者の石を使わずに元の肉体に戻る方法を模索し始める。その道中でマスタングやオリヴィエなど一部の軍部、そして傷の男達とも協力関係を結んだ。
鋼の錬金術師は人気アニメなのですが、なぜ人気なのか考えてみて、現在の日本の世相を反映しているからだと理解しました。今の若い世代は、身体の一部や全部を失ったような感覚を持っています。社会に閉塞感が蔓延し、なかなか夢や希望を持てないのです。
私の子供の頃の日本は自信にあふれてまして、経済は絶好調、ジャパン・アズ・ナンバーワンなんて言葉もありました。日本の官僚は世界一!、なんて言う人もいましたね。懐かしい。
しかし、バブル崩壊後の構造改革に失敗。今の不況にいたります。税収が37兆円なのに予算要求が93兆円ですから、政府の失敗は明らかです。
高齢化で、労働人口が減少しますので、少ない労力で大きい成果を上げるないといけません。労働集約産業から知識集約産業に切り替えて、効率化をするべきだったのですが、構造改革ができませんでした。その結果、税収の2倍以上の予算になってしまいました。
なぜ構造改革をできなかったかというと、利権構造があるからです。政治家や官僚は、退職後の天下りポストを得るために、特定企業を有利に取りはからったり、業界の新規参入を禁止したりします。電波利権などですね。利権構造です。
利権産業はぬるま湯ですから、世界情勢の変化などに対する危機感が薄いです。通常、危機感が薄い企業は倒産するものですが、利権で政府から資金(税金)を供給されることで生き残ります。こうして通常なら倒産するはずの、時代遅れで非効率な企業が生き残ります。こういったことが積み重なって、非効率な政府と、時代遅れの産業界になっていきます。
それでは、どうしたらいいのでしょうか?
国家の、理解・分解・再構築を行なえばいいのです。国家錬金術です。
日本の歴史を振り返ると、何度も国家の再構築が行なわれてきました。源平の乱の後の武士政権や、明治維新などがそうです。
源平の乱の時は、公家政治が機能不全になったので、武家がそれを分解しました。明治維新の時は、徳川幕府が機能不全になったので、薩長がそれを分解しました。
今回も、政治家と官僚が機能不全になったので、これを分解する必要があります。利権政治の象徴は小沢一郎ですので、小沢一郎が失脚することで、時代は一気に進展します。安政の大獄の井伊直弼が、桜田門外の変で討たれるのと同じです。お荷物となった利権構造が分解されていくでしょう。
注意するべきなのは、分解だけでは再構築にならないことです。つまり理解が必要です。
構成要素の特性を理解し、分解し、理論と術式にあてはめて再構築します。
蝶は、幼虫として生まれ、さなぎになり、成虫となります。さなぎの時、殻の中で身体をドロドロに分解しています。分解された体を、遺伝子の設計図にあてはめて再構築します。
国家錬金術も同じで、再構築するための術式=遺伝子が必要です。
源平の乱では、武士文化を遺伝子として、鎌倉幕府を再構築しました。明治維新では、イギリスの産業革命を遺伝子として、明治政府を再構築しました。
今回は水素文明が術式=遺伝子になります。根本から組み替えるので、また数百年は続きます。
鋼の錬金術師でもそうでしたが、国家の再構築のためには仲間が必要です。時代は常に動いていますので、祭りに乗り遅れないようにしましょう。
松浦彰夫 拝
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