流水成道blog: 経済アーカイブ

経済のブログ記事 1 / 4

<< 1 2 3 4

DeadOrAlive.jpg

原発を廃炉にしようと言ったとき、原発推進派の反論は「原発が無くなるとエネルギーが無くなるので、止めることはできない」といったものです。

現代の生活は、エネルギーの大規模な消費の上に成り立っています。エネルギーが無くなれば、農業の肥料を作る事もできませんし、食物を車で運ぶ事もできません。

原子力は、石油ショックの対策として広がりました。

 

そういった反論も、水素エネルギードライブが普及したら、終わります。

水素エネルギードライブの燃料であるハイドライド(メタノール等)は、天然ガスから作られます。

天然ガスをそのまま燃やさずに、化学分解することで直接電力にすれば、エネルギー効率が約2倍になります。

シェールガスという、今まで使えなかった天然ガスを採掘する技術が進んでおり、燃料電池として使えば500年使えます。

 

原子力で使うウランは100年以内で枯渇します。

原子力の資源を増やす高速増殖炉は、もんじゅを見ればわかるように、実現できない技術でした。

 

石油も、採掘しやすい場所には残っていません。

メキシコ湾の油田では海底3000メートルから採掘していましたが、爆発しました。

技術の限界を超えたのです。

11月にはイスラエルがイランの核施設にミサイルを打ち込む事件がありました。

この戦いが加速すれば、中東からの石油輸入ができなくなり、石油の値段は高騰するでしょう。

 

IMG_0266.JPG

1月8日の新年会の狙いは、関西電力の福井県若狭湾の原発を2012年の6月に廃炉にすることです。

2012年5月21日の金冠日食を燃料電池の船の艦隊から観測している様子を、世界中に放送して、燃料電池の有効性を世界に訴えます。

それを映画にして、芸能人と世論、企業と政治家を動かして、新エネルギーを普及させ、原発を廃炉に追い込みます。

シンガポールを中心にして、世界中の協力者が集まってきています。

 

具体的な計画は、新年会の会場で説明いたします。

明るい未来を迎えたいとお考えの方は、参加をお願いします。

 

◇◇◇ 新年会2012のお知らせ ◇◇◇     
平成24年1月8日(日)京都八幡市にて新年会2012を開催します。
http://bluenoah.info/blog/2011/12/post.html

・開催日時:平成24年1月8日(日)
・集合時間:13:00
・集合場所:京阪電鉄 八幡市駅 改札口前
・開催場所:石清水八幡宮青少年文化体育研修センター
・参加費用:¥4,000
・申込方法:下記アドレスまでメールでお申し込み下さい。
      atsuatsukgi@gmail.com (担当:加賀井)
・申込〆切:平成24年1月4日(水) ☆〆切間近か!☆

IMG_0198.JPG

 

松浦彰夫 拝

アメリカやヨーロッパの契約社会では『得たものより与えたものを多くすれば名声が広がり、次の仕事になる』というルールになっているらしいです。

欧米は、奪い、奪われるという過酷な社会かと勝手に思ってたのですが、実はそうでも無いのかもしれません。常に価値を提供できなかれば解雇される厳しさがある反面、価値を生み出せると分かれば対価もあるし、人が集まってもっと大きな仕事ができるということでしょうか。

日本で同じ事ができるかどうかといえば、奥山清行氏は同じ方法で新幹線のデザインもしているということで、やればできるのだと思います。

与えた者が勝ちという仕組みを作れば、仕事が回る。

会 社と個人、あるいは自分のキャリア、仕事と個人というバランスシートがあって、日本の特に若い人に強く言いたいんですけれども、勘違いしているのは、若い 人が特に勘違いしているのは、自分は会社とか仕事から得るものだけ得て、一番得た時点で次のステップに移っていくのがキャリアアップである、と。実はこれ 大きい間違いでして、自分が与えたものと相手からいただいたものの中で、相手にあげた方の大きい場合に、次の仕事につながります。これはアメリカとかヨーロッパの契約社会で非常に重要な考え方で、得たものよりも与えたものの方が多いことが大切なんです。それでこの人間は優秀であるという名声が広がって、きちんとしたお給料なり、それに対する対価をいただいて、次の仕事をもらうという仕組みを作るのが、実はプロとして非常に大切なこと。

 

松浦彰夫 拝

数を作れば、1/10000の確率で、良いものも混じっている。1万個のアイデアを出し、そのうちの1番良いアイデアに集中するのがプロ。アマチュアは常識にしばられないので、良いアイデアを持っていることがあるが、1個のアイデアに満足してしまい先に進めない。

P1110799.jpg

日本人のもうひとつの能力として、左側の想像力という力があります。ものを作るのはクリエイションの方の創造力ですけれども、この左側のイマジネーション の想像力というのは日本人が優れているからこそ、マーケティング理論が世界で一番発達して、実際にいろんなマーケットリサーチをする会社もたくさんありますし、非常に技術的に発達しています。でも、だからこそ人の気持ちは分かるけれど、自分の気持ちが一番分かっていないのが日本人です。自分が本当に何が欲しいのか、自分の会社が何を作るべきかが一番分かっていないのが典型的な日本の企業であり、日本人なんです。

P1110818.jpg

アマチュアというのは実はすばらしいアイディアを持っていて、それでプロよりも非常にいい思いつきをするんですね。プロというのはものを知っているだけに、 実は一番保守的です。長年同じことをやっているプロというのは、実はアマチュアよりもインスピレーションという意味でははるかにレベルは低いです。ところがなぜプロがプロたる仕事ができるのかというと、アマチュアはたった1枚の企画書、1枚の絵、たった1個のアイディアに満足して先に進まない。プロは最初はろくでもないアイディアが出てきて、なかなか会議でもアイディアが出ない。だけどもそれを100回続けて、100個の中から1個を選ん で、そういっ た人間が予算を取って100人集めて、合計1万個の中から1個のアイディアを出すから、いいものが出るのが決まっているというシステムを作るから、プロはプロたり得るのだと信じます。プロというのはシステムで仕事をする人間である。

これは、得意技(戦闘教義)の作り方にも通じます。

たった1つの長所を確実に使えるように、補給を整え、訓練する。

【再掲】やさしい「戦闘教義」講座 2 戦闘教義の設計 - 想月

まったく新しい戦闘教義を開発し導入しようとするのは画期的なことです。そのためには十分な準備期間と訓練期間が必要になります。長篠合戦で武田騎馬隊を破った織田鉄砲隊は、その時の思いつきで出来たわけではありません。鉄砲を用いた戦闘教義を確立しようと思えば、まずは鉄砲という最新兵器をまとまった数確保しなければなりません。相当量の火薬も必要です。火薬の原料となる硝石はすべて輸入でしたから港町と商人を押さえなければなりません。言うことを聞かせる だけの権力、購入するだけの財力も必要です。そうして準備をして、最新兵器に習熟するよう兵を教育し、組織として機能できるように訓練しなくてはなりませ ん。画期的な戦闘教義は技術革新(イノベーション)が契機になることが多いですが、それを戦闘教義にまで昇華させるには綿密な計画と準備が必要なのです。

全てをナンバーワンにするのは不可能です。それより選択と集中をした方が良い。

ただし、戦闘教義の限界もあります。

1つ目。武田の騎馬隊が織田の鉄砲隊に敗れたように、戦闘教義の世代交代があります。ウオークマンがiPodに変わったのもそうです。戦闘教義が陳腐化しないように、新技術の情報を集めて、場合によれば自己否定までする必要があります。

2つ目。武田の騎馬隊が敗れたので、織田の鉄砲隊を他の戦国大名は真似しました。模倣によるコモディティ化で、長所が少なくなったといえます。それでも織田の場合は、火薬の原料の硝石の輸入ルートの港町と商人、つまり兵站を押さえていたので、他の戦国大名より有利でした。iPodの場合は、iTunesの販路を持っているということで、やはり兵站を押さえてます。

ハードウェアだけでなく、全体像を考えるということになります。

 

松浦彰夫

1人当たりのGDP「台湾に抜かれる日本、8年後には韓国も逆転か」−韓国 2010/09/07(火) 12:43:21 [サーチナ]という記事がありましたので、調べてみました。ここで言う1人当たりのGDPとは、購買力平価ベースのGDPです。

[世] [画像] - 一人当たりの購買力平価ベースのGDP(USドル)の推移(1980~2010年)の比較(日本、アメリカ、中国、台湾、韓国)

# GDP(国内総生産)とは一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額。 経済を総合的に把握する統計である国民経済計算の中の1指標で、GDPの伸び率が経済成長率に値する。 詳しくは国内総生産 - Wikipedia参照。
# 一人当たりのGDP = GDP / 国の人口。
# 購買力平価は「為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決まる」という購買力平価説を元に算出された交換比率。 各国の物価の違いを修正して比較できるため、より実質的な評価・比較ができると言われている。

[世] 一人当たりの購買力平価ベースのGDP(USドル)の推移(1980~2010年)の比較(日本、アメリカ、中国、台湾、韓国)

上記が1人当たり購買力平価ベースのGDP。購買力平価というのは、ビッグマック指数が有名ですが、A国ではビッグマックが2ドル、B国ではビッグマックが1ドルとしたら、A国の物価がB国の2倍なので、B国のGDPを2倍としてA国と比較するということです。

確かに日本は台湾に抜かれていますね。2009年に落ち込んでから、日本も少しは上がっているのですが、台湾の上がりの方が大きいです。

[世] [画像] - 名目GDP(USドル)の推移(1980~2010年)の比較(日本、アメリカ、中国、韓国、台湾)

# 名目GDPとはその年の経済活動水準を市場価格で評価したものを指す(物価変動の影響を含む)。

[世] 名目GDP(USドル)の推移(1980~2010年)の比較(日本、アメリカ、中国、韓国、台湾)

名目GDPの推移です。名目GDPで、日本が中国に抜かれて世界3位になってしまったのが分かります。他国のGDPは上昇している中で、日本のGDPは1995年のピークになってから横ばいです。日本のGDPが、全体は増えておらず購買力平価ベースではある程度増えているというのは、デフレで物価が下がっているということです。

[世] [画像] - GDPデフレーターの推移(1980~2010年)の比較(日本、アメリカ、中国、台湾、韓国)

# GDPデフレーター = 名目GDP / 実質GDP。推移がプラスならインフレ、マイナスならデフレ傾向にあると見ることが出来る。

[世] GDPデフレーターの推移(1980~2010年)の比較(日本、アメリカ、中国、台湾、韓国)

日本のGDPデフレーターは、2010年が88.80%で、やはりデフレです。

それはさておき、日本が停滞している間に、1人当たりの豊かさで台湾に追いつかれたようです。台湾は、iPodやiPhoneの生産拠点になっていますから、その特需でしょうか。

日本の成長が止まっているのは、そのような新しい産業が興っていないからでしょう。現状を打破するには、水素文明へのエネルギーシステムの転換が一番確実な方法ですが、日本企業は進取の精神を無くしたようなので、そのままでは厳しいです。

間違っていることを間違っていると言えない日本は、無限ループをする蟻の群れにも似ています。蟻は前を進む蟻の匂いをたどって進みますが、匂いの道が円になった時、ひたすら同じ場所で回り続けます。死ぬまで回るので、デス・スパイラルと呼びます。虫の目では目の前しか見えないので間違いが分からない。鳥の目でみれば全体が見えますので、間違いが分かります。

YouTube - Ants going in a circle : San Pedro, Peru

YouTube - Secret of ants - Death spiral! / Загадка муравьев - Спираль смерти!

 

松浦彰夫 拝

中島聡さんのスタートダッシュ型仕事術に、考えさせられました。

最初にスタートダッシュすれば、初期に全体の見通しが立つから、失敗作ができても捨てればいいので、品質の良いものを作り出せる。

TH400_001.jpg

6a00d8341c4f9853ef0133f26eb050970b.png

【図の解説】この図の一番上のグラフが私が推奨する開発プロセス。最初に思いついたアーキテクチャで8割型動くところまで一気に持って行き、そこで「これで行けるかどうか」の判断をする。「このままでは行けない」と感じたら、あっさりと最初に戻り、次ぎのアーキテクチャで作る。これを繰り返し、納得できるアーキテクチャに到達したところで、後は流す(コードをきれいにする、UIの細部を詰める、徹底的にテストをする、コメントを入れる、など)。

 二番目のグラフが、同じプロセスをラストスパート型でした場合。スタートダッシュ型と比べてやたらに時間がかかるのが分かると思う。

 しかし、実際にはラストスパート型でプロジェクトを進めた場合に陥るのが三番目のグラフのパターン。それなりに時間もかけてしまった、詳細な仕様書も作ってしまった、そのアーキテクチャで行くことの承認も取ってしまった、などの理由で、一度採用したアーキテクチャ・書いてしまったコードを捨てられなくなるのだ。なんとかアーキテクチャの大変更だけは避けようといろいろと工夫をするのだが、バグがバグを呼び、ドツボ(デス・マーチ)にハマるのがこのパターン。

Life is beautiful: スタートダッシュ型仕事術:実践編

確かにそのとおりだと思います。夏休みの宿題を早く終わらせれば、遊んで暮らせる。

でも、私は夏休みの宿題を最後まで残してしまう子供でした。当時も早く宿題を終わらせた方が良いのは分かっていました。でも、分かっちゃいるけどやめられない。今でも仕事をスタートするのが遅くて、ラストスパート型の仕事ばかりやっているように思います。

そこで過去の反省点をふまえ、どうやったらスタートダッシュできるようになるか、自分なりに考えてみました。スタートダッシュ型の人は100人に1人しかいなくて、99人はラストスパート型だそうなので、スタートダッシュ型になる方法論が分かったら100人中99人の人の役に立つはずです。

自分の経験を思い出してみると、なぜ最初に仕事が手に付かないのか。まず「何をすればよいのか分からない」というのがあります。何を目標にするのか(What)、どんな方法で実現すればいいのか(How)、何に価値を見いだすか(Why)の3つが明確になっていなかった。

出題者が意図したものと違うものを作ってしまったり、完成させることができなくなってしまったり、「こんな宿題をしても、どうせ役に立たないからしたくない」などと考えてしまったりするわけです。

つまり、What、How、Whyの3つが不確実でエントロピーが高い。エントロピーを下げると動きやすくなって、やる気も出るわけです。

まおゆう読んでます

| コメント(0) | トラックバック(0)

最近話題のネット小説?の、『魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」』通称『まおゆう』を読んでいる途中です。これが面白い。

ドラクエのように勇者が魔王を倒しにいったら、魔王はか弱い女の子で、戦争を止めるように説得されてしまった、という話です。

 近いうちに自由の代価さんの作った電動バイクを見に行く予定です。現在の輸送に使用されるエネルギーは石油一辺倒ですが、電動モーターをガソリンエンジンやディーゼルエンジンと交換すれば石油に頼らなくてもバイクが動く訳です。そして電動自動車や燃料電池を積んだ水素船に発展します。

経済にとって輸送は重要な要素です。石油はそのうち無くなる、または非常に高価になりますので、その時に電動の輸送手段があれば最低限の輸送手段は維持できるわけです。

電気の供給元としては、石油の供給が止まって火力発電所や原子力発電所維持できなくなっても、小型の水力や風力の発電所なら小資本で建設できますので、地方で土地が安い所に建築して、地方の収入源になる予定です。

電動バイクも設計図があれば地方の鉄工所で作れるシンプルなものですので、設計図を提供して作ってもらいます。これも地方経済の収入源となります。

 

松浦彰夫 拝

風車の内部説明の動画

| コメント(0) | トラックバック(0)

世の中には個人で発電施設を持っている方々がいます。太陽電池、水車、風車などです。こういうので電気自動車などに充電できれば、石油が輸入できなくなっても物流を維持できます。佐賀にそういう方がいらっしゃいましたので、ジョギング会の後に見学させてもらいました。

fusha1.JPGfusha2.JPGfusha3.JPG

下記は風車の内部に登らせていただいて、説明を受けた動画です。ちょうど修理中で止まっていました。電気は電力会社に売電しているそうです。

YouTube - 風車に登って構造の説明を受けました

ちなみに風車の見学に来る人は多いですが、真似した人はまだ居ないそうです。本格的な風車ですのんで、このレベルを1から作るのは個人ではできないですね。スケールがでかいです。これはベルギーで使用していたものを輸入したそうです。ベルギー語を読める人があまりいないので、買い手が付かなかったものを手に入れたとか。ベルギー語の説明書を、英語→日本語の順に訳したそうです。補修は1人でしているそうです。風車は色々大変そうでしたが、かっこ良かったです。かっこ良ければいいのです。

 

松浦彰夫 拝

 『誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義: 松岡正剛』を読みました。概要と感想を書きます。千夜千冊の方です。

 

799px-Houses.of.parliament.overall.arp.jpg

 

本書の概要は、あとがきにありました。

近現代史の「まちがい」がどこからおこったのか、そこをさぐっていくという語りかたに徹してみました。そのため本書では、多くの読者にはやや意外かもしれないであろう「イギリスのまちがい」ということをあえて示してみました。イギリスが犯罪者だというのではありません。イギリスは議会も株式会社もジャーナリズムも小説も産業技術も作ったんです。近代社会がその恩恵に浴しているモデルの多くがイギリスの発明です。

ところが、これらを世界に撒き散らさないと、イギリスは覇権を握れなくなった。そのため植民地を経営し、奴隷を発明し、三角貿易を定着させました。直播きです。直営です。それを百歩譲って、当時の世界経済の繁栄としてやむをえなかったとしましょうか。しかし、そのうちこのモデルは世界中が擬似的に共有するものとなってしまっていたんです。とくにそのイギリスからの移民によって自立したアメリカが、この覇権を継承すると、世界中が同一のルールとロールとツールを使うようになっていきました。

これは「まちがい」です。こんな歴史はかつてあったタメシがありません。だから、ここはよく考えなおすべきところです。ヨーロッパ諸国は、私が知るかぎりはこの「まちがい」を20世紀になってから何度かにわたって反省し、検討してきたように思います。その成果のひとつがフッサールやアドルノの現代思想や、カフカやベケットの文学となり、EUの試みやアート・ムーブメントになってきた。それを一言で言えば「自由と国家と資本主義」の新たな組み替えということでしょう。本書は、こうした「生みの苦しみ」のあとを辿ったものとも言えるかもしれません。

残念ながら、日本はいま「まちがい」を巨視的にとらえていないようです。互いの「なすりあい」に終始していて、疲れがでています。困ったことですね。

誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義 おわりに 苗代の知恵 P466

イギリスが作った近代世界システムの間違いを考え直そうということのようです。

 

Leviathan.jpg

 

そして、近代とは「代理の社会」だそうです。

 私は、そもそも近代社会というのは「代理の社会」だというふうに思っています。

自分で政治もしないし、料理もしないし、洗濯もしない。政治は代議士にしてもらい、洗濯はクリーニング屋に頼み、旅行は旅行代理店に組んでもらう。法律のことは弁護士にまかせ、食事もレストランのシェフのものを食べ、教育は先生方に面倒を見てもらう。企業も財政面を銀行に見てもらい、その宣伝は広告代理店に代理させていく。

これが近代社会の実態です。なにもかもが他人のつくる機関にまかせていく。そして、大衆はそれに文句をつければいいということになっていく。こういう「代理の社会」をつくったことが、ネーション・ステートのもうひとつの特色だったわけです。

すべての代理がよくないということではありません。「まちがい」とも言いません。政治や法律や教育や医療は、代議士や弁護士や教師や医師にまかせてもいいでしょう。けれども、そこには限界もあるし、失敗もあるし、過剰や不足もあるのだから、目を光らせるだけではなく、ときには自分で引き取る覚悟を持っていたほうがいい。

その代理性が、20世紀後半ではついに米ソによる「代理戦争」にまで究極化していったわけでした。2つの大戦の戦禍や原因など、国家においてはなにひとつ反省されていなかったんですね。

こんな「代理の社会」がこのまま、21世紀の政治や経済の理想モデルになるかといえば、とうていムリでしょう。私はそれをせめて「編集の社会」にしていくべきだと思っています。「代理を編集で取り戻せ」ということですね。

誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義 第10講・・・資本と大衆の時代 冷戦時代のポリティクスーー代理社会の代理戦争 P392

近代は「代理の社会」であり、エスカレートして「代理戦争」にまでなってしまった。

 

nawashiro.jpg

国営昭和記念公園 こもれびの里

筆者は、近代の間違いに対して「苗代」という方法で対処しようと提案しています。苗代は梅雨を挟んで稲を丈夫に育てるよう工夫した方法で、「依代(よりしろ)」「憑坐(よりまし)」「物実(ものざね)」という考え方のルーツのひとつになっていたそうです。これらは、そこに何かがやってきたり、着いたり、宿ったり、育ったりするとても小さな「座」「棒」「柵」のようなものだそうです。日本の稲作はダイレクトに育てず、苗代という仮の場所に種をまいて、2段階で育てる。

他国から来た異質なものも、いきなり全面的に受け入れず、まず小さく育ててみて吟味する。その段階で日本に合うものに「編集」して取り込むという方法を、筆者は提案しています。

 

一理ありますが、「苗代」は受け入れる側の方法論だけなので、外に広げていく側の方法論は別に構築する必要があると感じました。

「苗代」は農業のランドパワーの方法です。日本は島国なので、海を上手く使うというシーパワーの方法があります。日本は外交下手といいますが、土地をもってそこに引きこもるという発想で、内向きになってしまっています。海は物資の輸送に便利です。徳川時代に鎖国したおかげで、山田長政のように東南アジアに進出した日本人が途絶えてしまいました。それが続いていたら、日本人には国際感覚があふれていたと思います。

 

Atakebune2.jpg

 

本書では方向性が違いますが、「海の民」についての記述がありました。「水軍」などでしょうか。

世界にはいろいろ共同体のモデルがありえます。けれどもアジア的な共同体というと、そんなに多くのモデルにはなりません。①生態適応型の共同体、②ネットワーク型の共同体、③大文明型の共同体、おおざっぱにそのくらいでしょう。

①は、たとえば東南アジアの山地やジャワや日本の農村部にかつてはよく見られました。いまではこれを「エコ」などと言いますね。②は、「海の民」や「草の民」がつくってきた共同体です。ネットワーク的に動いていく共同体モデルです。③は、中国の社稷(しょしょく)共同体やインドのカースト制がつくってきた。しかし、こうしたアジアの共同体も、いまでは各地でいちじるしい変更や修正をうけてしまっています。

ということは、これらのどの共同体のモデルがいいかということではなく、いま残っている母型や単位をさまざまに共存させていくことが必要だということです。そういう「編集方法」を考えなければならないでしょう。

誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義 第11講・・・日本の苗代をとりもどしたい 日本人の「ものの見方」 P432

「海の民」はネットワーク型の共同体ということです。コミュニティに閉じこもらずに外と積極的に関わっていくという意味だと思います。日本の活路は、海路にこそあるのでは無いかと思う訳です。

 

松浦彰夫 拝

三方よしの実現方法

| コメント(0) | トラックバック(1)

「三方よし」という理念

「三方よし」とは、「売り手よし、買い手よし、世間よし」というもので、近江商人の家訓として伝わっていたものです。

sanpouyoshi.gif

理念|三方よし研究所

売り手、買い手、世間の3者がそれぞれの利益をあげ、Win-Win-Winの関係を築くことで、経済の長期的な発展が成りたつ。自分の利益だけを追求したら、信用を失い失敗する。すばらしい理念だと思います。

 

「三方よし」でない経済

経済の目標として三方よしを設定するとしたら、三方よしでない社会を三方よしの経済に変えていくことになります。三方よしでない経済とは、どういうものになるでしょうか。

よいものがあれば悪いものもあります。経済において利益が有るのが善し(よし)、利益が無いのが悪し(あし)とします。

三方よしあし
  売り手 買い手 世間
1 ○善し ○善し ○善し
2 ○善し ○善し ×悪し
3 ○善し ×悪し ○善し
4 ○善し ×悪し ×悪し
5 ×悪し ○善し ○善し
6 ×悪し ○善し ×悪し
7 ×悪し ×悪し ○善し
8 ×悪し ×悪し ×悪し

 主体が3つあって、それぞれの状態が2つなので、組み合わせは8つになります。

1)三方よしの状態です。

2)生産者と消費者に利益があるが、世間が不利益。公害を出したり、麻薬を販売したりなどの反社会的な商活動をしている状態です。

3)生産者と世間に利益があるが、消費者が不利益。欲しくないものや、必要ないものを無理やり買わされている状態です。植民地の人が過去に必要でなかったものを買わされるのがこの状態でしょうか。宣伝などで煽られて、買い物依存症になるのもこの状態です。消費者の借金が増えていき、自己破産になるでしょう。

4)生産者に利益があるが、消費者と世間が不利益。低品質のものを売られて、リコールが起こる状態です。詐欺で無価値なものを売りつけられるのも、この状態です。

5)消費者と世間に利益があるが、生産者が不利益。製品の売値が下がって仕方なく赤字で販売するのがこの状態にあたるでしょうか。

6)消費者に利益があるが、生産者と世間が不利益。客なら何をしても許されると考えるモンスター化した消費者がこの状態にあたります。

7)世間に利益があるが、生産者と消費者が不利益。チェルノブイリのように人が居なくなって自然環境が回復するとか、戦争で物や人命を浪費してデフレ不況回復、という状態にあたります。

8)利益をあげる主体が居ない。商活動が成り立たない状態です。内戦が起こり無法地帯になればこうなるでしょうか。

 

「三方よし」への道

こうして書き出してみると、三方よしでない経済のパターンは多いです。

特に2の公害や反社会的商活動の場合、隠蔽されていますし儲かりますから、長続きして被害が拡大しますので、問題が根深いです。2の対策としては、まず隠蔽対策です。世間に対する悪事をしないか監視し、悪事をした場合は情報公開します。次に儲からなくする。不買運動を起こすなどして兵糧攻めにします。しかし、兵糧攻めが効きにくい悪事があります。政府と結託している悪事というのがあり、政府から資金が供給されますのでしぶといです。この場合は、情報公開をしぶとく続けて、持久戦で政治を変えていくことになります。

2以外も対策の基本は同じになります。情報公開で誰が不利益を被っているのかを明らかにして、兵糧攻めをするのが、効率の良い方法だと思います。

一番良いのは、生産者、消費者、世間、それぞれの当事者が、悪事をしないように気をつけることです。独占状態になるのも良くありません。適当なライバルがいることで腐敗や横暴な行為を防げます。悪事を行なえば、そのライバルに市場を奪われますので、抑止力になります。

「三方よし」が実現すれば信頼に満ちた社会になりますが、それでも油断は禁物です。安定に慣れてしまい、社会の発展が停滞することもあります。失敗は成功の元と言いますが、成功は失敗の元になることがあります。ある時点での優位点が、状況が変わった場合の弱点になる場合もあります。

永遠に完成しない目標を、永遠に追いかける。案外それが人間の幸福なのかもしれません。「遠足は前の日の晩が一番楽しい」ということがありませんか?目標は計画段階が一番楽しいものです。つまり、永遠に計画を立てていれば、永遠に楽しいのです。

 

松浦彰夫 拝

 

<< 1 2 3 4

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち経済カテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリは組織です。

次のカテゴリは自然です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Podcast購読

iTunesのPodcastメニューの画面にこのアイコンをドラッグ&ドロップすることで、番組を登録できます。



メルマガ購読

2011年12月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
Powered by Movable Type 5.02