食料ーこれこそ、全監獄制度の中で唯一大事なものであり、最大の喜び、最も強いモチベーションでした。薄く水っぽいトウモロコシ粉の粥、固く小さいパン、そして、野菜の切れはしが生活の中心になり、最も深い関心尾基本的な対象となりました。労働収容所という所では食料の質と豊富さついておよそ考えられないような噂話や夢のような話が飛交っていました。こうした食事が一年も続くと、食料を手に入れるためだったら、どんなことでも認めようという気になったのでした。
以前はひどくなかった食事も「百花斉放」の時期に,人民代表団が刑務所を視察に来たとき、囚人が腹いっぱい食べているのを見て憤慨してから変化しました。社会の屑であり、人民の敵である反革命分子が、多くの農民より高い生活水準を享受しているのは許し難いと結論したのでした。1957年11月を境に、米も、肉も、小麦粉も祭日の食事から姿を消したのでした。
囚人に圧力をかける古典的な手段は人参を与えることでした。つまり寛大な処置をとるとの約束を与えるのです。自分の「犯罪」をすべて告白した場合、模範的に振る舞った場合、仲間の「更生」に積極的に貢献した場合、そしてまた、従順でない同囚人者を告発した場合でした。そいうわけで、重い判決を受けた多くの人は数年でも刑を軽減してもらえるのではないかと期待して、熱心な宣伝家としてふるまいました。しかしながら、彼らはほとんど見返りを得ることは無かったのです。
ある年取った囚人はこの間の秘密を次のようにあばいています。「共産党員は、敵と交わした約束を守る必要は無いと思っている。彼らは自らの目的をとげる手段として、役に立つならどんな卑怯な手口や策略でも使うのを躊躇しないー脅迫や約束も含めてだ。もう一つ覚えておきたまえ。共産党員は変節するような人間には、これぽっちも敬意を持たないものだ」
人参に対する鞭はもっと実質的でした。告白の強要に屈しない者、告発を拒否する者、判決に対し控訴し「大衆の意思」を認めないとするもの、これらの者は新たに重刑を宣告されたたのです。似たような状況下に置かれれば、およそ囚人なるものの圧倒的多数が服従の外的兆候を示すようになります。再教育の効力は、心理的プレッシャーを加える手段であり、一つは、党と管理局が父母の役を演じて、話し方や歩き方や、食欲や衛生の管理の仕方に至るまでを、絶対的従属関係のなかで囚人に教え直すことで、もう一つは、被拘禁者の妻を離婚に追い込むなり、子供にその父親を否認させるなり、真の家族との接触をほとんど不可能にしておいたうえで、代理家族と呼んだらいいのか、身振りや言葉の一つ一つに責任を持ってくれる集団へ囚人を融合させることでした。
参考文献:共産主義黒書 コミンテルン・アジア編
第二部 アジアの共産主義ー「再教育」と虐殺のあいだ
第一章 中国
労改(ラオガイ)ー隠された<グラーグ>
共産主義黒書 第一部はこちら Crescendo












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