毛沢東は1950年11月の朝鮮戦争への中国軍の参戦に続く先鋭化段階(反革命鎮圧運動)に祭し、進行中の虐殺を公然と承認し「もちろんわれわれは、殺されるに値するすべての反動分子を殺さなければならない」と述べました。しかし、この時点における新たな要素は、終息に向かっていた土地改革ではなく、暴力的粛清の都市への拡大だったのです。
知識人、ブルジョワ、非共産党活動家、自立心が強すぎる共産党幹部など、中国共産党の全体主義的な統制計画を阻害する集団を完全な服従へと追い込むような、一連の「大衆運動」を推進して展開しました。このやり方は、ヨーロッパの人民民主主義諸国の建設期に採用された「サラミ戦術」とそれほどの違いはありませんでした。犯罪者と売春や賭博や阿片の吸引などの社会的疎外者は厳しく処罰されたのです。
統制システムは革命が勝利する前からほとんど出来上がっていました。都市では、国民党が復活させた伝統的な相互管理システム(保甲制)を完成させて、15から20世帯の居住者グループが居民委員会のもとに組織され、この委員会自体がまた街道委員会または社区委員会に従属していました。どのよなものもこの網の目から逃れることはできなかったのです。
どのような小さな責任であっても、それを持つ者は誰もが警察の補助的な役目を果たしていました。警察は最初は旧体制の役人の大半を吸収したものの、利用価値がなくなると、彼らは将来のキャンペーンの際、「自然な」標的となったのです。既存の刑務所の状況といえば、飢餓的な食料配給、労働による極度の疲労、非人間的な規律、さらに恒常的な肉体的暴力が支配していました。
1950年7月に「反革命分子一掃」のためのキャンペーンが開始されました。1951年には国家・党の幹部の汚職浪費、官僚主義にたいする「三反」運動、引き続いて賄賂、不正行為、脱税、職務怠慢、国家機密の漏洩といった「五反」運動、さらには西洋化された知識人にたいして「思想改造キャンペーン」が発動されました。知識人は定期的に「再教育」の研修を受けたのです。党中央に励まされ、公安部という「軍事部門」の助けを得て、書記たちは権力を行使し、濫用することになりました。とりわけ1951年という恐るべき年については「赤色テロル」の語を使うことができるでしょう。
参考文献:共産主義黒書 コミンテルン・アジア編
第二部 アジアの共産主義ー「再教育」と虐殺のあいだ
第一章 中国
土地改革と都市での粛清(1946ー1957)
都市:「サラミ戦術」と財産没収
ナチズムの犠牲者約2500万人に対し、共産主義により殺された人数は1億人に近い。民族・人種によるジェノサイドとイデオロギーによるジェノサイドがどこが違うのか?
共産主義黒書 第一部はこちら Crescendo
都市:「サラミ戦術」と財産没収
トラックバック(0)
トラックバックURL: http://jyoudou.net/mt5/mt-tb.cgi/3000
このブログ記事について
このページは、倉橋正幸が2010年3月 3日 05:02に書いたブログ記事です。
ひとつ前のブログ記事は「誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義: 松岡正剛」です。
次のブログ記事は「都市:「サラミ戦術」と財産没収2」です。
Podcast購読
iTunesのPodcastメニューの画面にこのアイコンをドラッグ&ドロップすることで、番組を登録できます。
最近のブログ記事
タグクラウド
2011年12月
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | ||||
| 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
| 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
| 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
月別 アーカイブ
- 2011年11月 (6)
- 2011年10月 (10)
- 2011年9月 (23)
- 2011年8月 (7)
- 2011年7月 (3)
- 2011年6月 (4)
- 2011年5月 (10)
- 2011年4月 (2)
- 2011年3月 (6)
- 2011年2月 (3)
- 2011年1月 (12)
- 2010年12月 (8)
- 2010年11月 (10)
- 2010年10月 (10)
- 2010年9月 (4)
- 2010年8月 (14)
- 2010年7月 (11)
- 2010年6月 (6)
- 2010年5月 (8)
- 2010年4月 (5)
- 2010年3月 (15)
- 2010年2月 (16)
- 2010年1月 (17)
- 2009年12月 (21)
- 2009年11月 (17)
- 2009年10月 (5)
- 2009年9月 (10)
- 2009年8月 (130)
- 2009年7月 (165)
- 2009年6月 (173)
- 2009年5月 (62)
- 2009年4月 (39)
- 2009年3月 (29)
- 2009年2月 (12)
- 2009年1月 (13)
- 2008年12月 (7)
- 2008年11月 (8)












コメントする