村ごとに少なくとも一人の犠牲者が「必要」とされたことは明らかで、犠牲者の数は最低数に言って100万人に達していたし、多くの研究者は200から500万人のあいだの死者という数字で一致しています。そのうえ、400万から600万人にのぼるクラーク(富農)が、設置されたばかりの労改に連行され、その2倍の「クラーク」が地方当局の「支配下」に置かれたのでした。つまり、恒常的に監視され、最も辛い仕事に使われ、「大衆キャンペーン」の場合には、迫害の憂き目にあったのでした。
地元カトリック教徒会会長の全家族の殺戮および教会の封鎖、富農と連帯していた貧農への体罰と財産没収、過去三世代にわたる「封建的出身者」の追及、架空の財宝のありかを白状させるための死に至る拷問、焼きごてによる拷問をともなう尋問、処刑された者への家族への迫害の拡大、被刑者の墓の発掘と破壊など、1948年以後には、ある種の行き過ぎは廃止されたものの、それ以前は張荘村で猛威をふるったものでした。
中国の雲南省では、旧政府の警察官だったというだけの理由で「地主」に分類され、役人だったために懲罰刑を言い渡され、1951年の地方の土地改革が絶頂期を迎えた時に「階級敵」とされて死刑を宣告され処刑された例があります。しかし、どの行為が正確に処罰の理由となったかはついに明らかにされませんでした。これらはみな、村民の多数の賛同を得ていたように思われます。なぜなら、村民はこの後、強制収用された土地の分配に与ることができたからでした。
スケープゴートの虐殺は、共産党指導部がめざしていたような「正義の味方」としての党の背後に農民の一体性を実現する結果になったとは必ずしも言えませんでした。土地改革という広汎な運動の真の目的は、何よりもまず政治的次元のものであり、次に経済的次元のものであり、最後に初めて社会的次元のものだったのです。土地の40%は再分配されたものの、貧農がさほど裕福さを手に入れる結果にはならなかったのでした。中国の土地改革は、改革そのものを目的にしたのではなく、共産党機関による権力の全面的な奪取をめざしていたのです。そして、これ以上無いほど極端なテロルを操る共産党の能力を反抗分子や軟弱分子に見せつけることこそが目標だったのです。
参考文献:共産主義黒書 コミンテルン・アジア編
第二部 アジアの共産主義ー「再教育」と虐殺のあいだ
第一章 中国
土地改革と都市での粛清(1946ー1957)
農村:従順化と社会工学
ナチズムの犠牲者約2500万人に対し、共産主義により殺された人数は1億人に近い。民族・人種によるジェノサイドとイデオロギーによるジェノサイドがどこが違うのか?
共産主義黒書 第一部はこちら Crescendo
農村:従順化と社会工学3
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このブログ記事について
このページは、倉橋正幸が2010年3月 1日 00:00に書いたブログ記事です。
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