ロシア革命とは異なり、1949年の中国革命は農村から都市へと拡大していきました。共産党員は土地改革については長い経験をもっていましたが、国民党中央政府との抗日「統一戦線」を維持するために、1937年以降は抑制していました。彼らが土地改革運動を再開するのは、日本敗北後のことで、やがて彼らを権力の座へと導くことになる、1946年の内戦再開の状況においてでした。職業的扇動者が何千と地方へ送り込まれ、村から村へと、人民解放軍による「解放区」のいたるところへと送られたのです。人民解放軍の前進とともに、この運動は南部から西部の国境地帯にまでひろがっていきました。(チベットはこの時点では含くまれていません)
何十万という中国の村々を転覆させることになった土地革命を、ただ上からの人心操作の結果と見るのも、逆に、共産党が「大衆の意思」に応えただけだと思い込むのも、どちらも間違いです。大衆には自分たちを不幸と感じ、変化を願うだけの理由が数多くありました。不均衡の一つは、農民のあいだの不平等だったのです。張荘村では3%しかいない村の有力者が平均26%の土地を所有しており、さらに最も富裕な村民が独占していた高利貸しのせいで、さらにおおきなものになっていたのでした。張荘村では裕福な地主で10ヘクタールあるかないかだけでした。村民の大半は、土地の無い極貧層と、自らの労働では生活しない地主との中間層に属していました。ラテンアメリカでは今なお見られる極端な社会的コントラストと比べても、中国の農村社会は比較的平等主義だったとみなすことができます。ですから、貧富のあいだの紛争は、農村社会における混乱の主要な原因であるとは言えなかったのでした。
そこで、1927年における海・陸豊のソビエト地区と同様、共産党主義者が社会問題のいわば技師の役割を演じたのです。すなわち、恣意的に定義され、境界線を引かれた農村集団をかなり人為的に分極化したうえで、この分極性のなかにこそ、農民の不幸の唯一の原因が存在するのだと宣言したのでした。そうして、扇動者達は農民を貧農、下層中農、中農、そして富農の4つのグループにわけ、この分類から除外されたものを「地主」と宣言し、当面打倒すべき人間とされたのです。
参考文献:共産主義黒書 コミンテルン・アジア編
第二部 アジアの共産主義ー「再教育」と虐殺のあいだ
第一章 中国
土地改革と都市での粛清(1946ー1957)
農村:従順化と社会工学
ナチズムの犠牲者約2500万人に対し、共産主義により殺された人数は1億人に近い。民族・人種によるジェノサイドとイデオロギーによるジェノサイドがどこが違うのか?
共産主義黒書 第一部はこちら Crescendo
農村:従順化と社会工学
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このページは、倉橋正幸が2010年2月26日 18:00に書いたブログ記事です。
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