共産主義体制の国々において、権力の暴挙は活動家が犠牲となった場合に大きな痕跡を残しました。最も弾圧の標的となった幹部は常に、彼らが活動していた地元の住民と最も絆の強い人々でした。彼らの敵は中央機関への従属度がより強く、相手の「地方主義」を糾弾したのでした。地方主義には、与えられた指令の当否を論ずることも含めて、ある種穏健な態度をとらせる要素がしばしばあったからです。
しかし、この対立の陰にはもう一つの対立が隠されていました。地元活動家は農民のなかの富裕層、特に急進的なナショナリズムに基づいて共産主義に行き着いた地主家族であることが多かったのですが、対して「中央の」活動家、「正規」軍の兵士といえば、その多くが体制の周辺に追いやられていた人々、社会の落伍者たちから徴募されていたのでした。盗賊、浮浪者、乞食、無給の兵士、女性だったら娼婦といった連中で、毛沢東はこの人々に革命において重要な役割を演じさせることを考えていました。「こういう人々は実に勇敢に闘うことができる。正しいやりかたで指導されれば、彼らは革命勢力となることができる」と。
残りの住人は、しばしばエリート層に属していた少数の断固たる反対派を除くと、農村における共産党の階級基盤とみなされた「貧農と下層中農」も含め、その受け身ぶりと「態度の冷淡さ」が特にめだっていました。ただただ共産党のおかげで社会的存在になれ、幹部に昇格した落伍者たちは、多かれ少なかれ漠然とした復讐心に燃え、「中央」の支持を背景に、最も過激な解決策に訴える自然発生的傾向をもっていたのです。1946年以後の土地改革をめぐる数々の暴走事件は、このタイプの矛盾から説明されます。
1930〜1931年の大きな粛清は江西省北部の根拠地でありました。国民党右派につながる政治警察組織、AB(アンチ・ボリシェヴィキ)隊の強力な活動によって深刻になりました。まず大勢の地元幹部が処刑され、ついで紅軍にも向けられました。捕らえられた後「党の皇帝」毛沢東にたいする反乱を起こそうとした幹部達は、交渉の席に呼ばれましたが、逮捕され殺されたのです。迫害は一年以上にわたり、大量の民間幹部と軍幹部が殺戮され、犠牲者の数は数千の規模に達したのでした。
参考文献:共産主義黒書 コミンテルン・アジア編
第二部 アジアの共産主義ー「再教育」と虐殺のあいだ
第一章 中国
テロルと切り離せない革命(1927ー1946)
ナチズムの犠牲者約2500万人に対し、共産主義により殺された人数は1億人に近い。民族・人種によるジェノサイドとイデオロギーによるジェノサイドがどこが違うのか?
共産主義黒書 第一部はこちら Crescendo
テロルと切り離せない革命(1927ー1946)3
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このブログ記事について
このページは、倉橋正幸が2010年2月19日 00:00に書いたブログ記事です。
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