天国と地獄 - 流水成道blog

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天国と地獄

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貰うか与えるかの点で、3つの経済モデルである、上意下達方式、交換経済、贈与の文化を考えてみよう。



 人間が持つ組織化のほとんどの方法は、希少性と欲求に対する適応行動だ。それぞれの方法は、社会的地位を獲得する別々の手段を持っている。


 一番簡単な方法は 上意下達方式(command hierarchy)だ。上意下達方式では、稀少な財の配分は一つの中央権力が行って、それが軍事力でバックアップされる。上意下達方式は、規模の変化への適応力(スケーラビリティ)がものすごくとぼしい[Mal]。大きくなるにつれて、ますます横暴で非効率になってゆく。このため、大家族以上の上意下達方式はほぼかならずといっていいほど、別のかたちのもっと大きな経済に寄生する存在でしかない。上意下達方式では、社会的地位はおもに恐喝力へのアクセス能力によって決まってくる。


 ぼくたちの社会はもっぱら交換経済だ。これは財の希少性に対する洗練された適応方式で、規模の変化にもよく適応する。稀少な財の配分は、交換と自発的な協力によって非中心的に行われる(そして実は、競争の欲望がもたらす最大の効果は協力行動を生み出すことだ)。交換経済では、社会的地位はおもにもの(必ずしも物質的なものとは限らない)のコントロールの大小で決まる。


 ほとんどの人は、この二つについては説明されるまでもなく精神的なモデルを持っているし、それらがどう相互に機能するかもわかっている。政府や軍、ギャング集団などは、ぼくたちが「自由市場」とよぶもっと大きな交換経済に寄生している上意下達システムだ。しかしながら、このどちらともまったくちがっていて、人類学者たち以外はあまり認知されていない第三のモデルがあるんだ。これが贈与の文化だ。


 贈与文化は、希少性ではなく過剰への適応だ。それは生存に不可欠な財について、物質的な欠乏があまり起きない社会で生じる。穏和な気候と豊富な食料を持った経済圏の原住民の間には、贈与経済が見られる。ぼくたち自身の社会でも、一部の層では観察される。たとえばショービジネスや大金持ちの間でだ。


 過剰は上意下達関係を維持困難にして、交換による関係をほとんど無意味なゲームにしてしまう。贈与の文化では、社会的なステータスはその人がなにをコントロールしているかではなく、その人がなにをあげてしまうかで決まる。



Homesteading the Noosphere: Japanese: 贈与経済としてのハッカー文化


経済とは、物品、お金、サービスなどの価値のあるものをやり取りすることのわけですが、貰うことを(-)、与えることを(+)とすると、以下のようになります。





経済方式貰う(-)か与える(+)か人の構成
上意下達方式(-)のみ奪い合う人々
交換経済(-)と(+)が同じ等価交換する人々
贈与の文化(+)のみ与え合う人々

仏教の説話だと思いますが、天国と地獄とはどういうものか、とても長い箸がある世界の話があります。


長い箸では、自分の口に食べ物を運ぶことが出来ないが、他人の口には運ぶことができる。自分だけ食べようとすれば食べられない地獄になり、人を食べさせれば天国になる。


この話も混ぜると次のようになります。(なお、天国と地獄の間を人間界とします。)





経済方式貰う(-)か与える(+)か人の構成略称
上意下達方式(-)のみ奪い合う人々地獄
交換経済(-)と(+)が同じ等価交換する人々人間界
贈与の文化(+)のみ与え合う人々天国

どこが暮らしやすいかといえば、地獄より人間界、人間界より天国になるはずです。


奪う人ばかりだと、やがて奪うものがなくなり、奪っていた人も奪われる側になり、社会は壊滅するでしょう。(参考: イースター文明 - 連山 )イースター島では人食いまでして、99%以上の人が死にました。壊滅までいかなくても、いつ奪われか、ビクビクしながら暮らすことになります。


等価交換なら、なんとか暮らしていけます。ただし、自分の価値のあるものを、人の価値の無いものと交換してしまうというという落とし穴はあります。詐欺師を排除する必要があります。


与える人だけなら、気楽です。何かを持って行かれても、元々あげるためのものなので、なんともないです。





経済方式貰う(-)か与える(+)か人の構成略称暮らしやすさモデル
上意下達方式(-)のみ奪い合う人々地獄暮らしにくいイースター島
交換経済(-)と(+)が同じ等価交換する人々人間界暮らしていける市場社会
贈与の文化(+)のみ与え合う人々天国暮らしやすいハッカー

暮らしやすさの点からすれば、地獄が無くなって、天国ばかりになればありがたいですが、なかなかそうもいきません。


まず、仕組みが必要です。ハッカー社会では、自分が使うものを作り、余ったので人にも配ることで成立しました。複製してもタダなので可能です。物質世界では、それなりの資源が必要ですね。エネルギーとしての電力や、生きていくための食料と水、住居や衣服が豊富にあることが必要です。資源の生産を確保すること。 水素文明 - 連山 はそのための運動なのだと考えてます。私としても暮らしやすい世界のために、これを応援しているわけです。


もうひとつの問題は、地獄は拡大する傾向があり、それを防がなければ天国が地獄に飲み込まれることが起こりえることです。イースター島は太平洋の孤島であり、船を作る木も無くなったので、その島だけが地獄になりました。これが他の地域と陸続きだったり、他の陸地の近くでだったら、そこに行って奪おうとしたでしょう。地獄の輸出です。


地獄という決まった土地があるのではなく、奪おうと考える人がいる場所が地獄なのです。地獄の考え方をする人は、どこに行っても地獄が追いかけてきます。


地獄の拡大を防ぐためには、奪おうと考える人を減らすことが大事です。これを見ている人で、奪うことばかり考えている人は、与えることも考えてみませんか?


人は誰でも生まれたときは赤ん坊です。無力でなにもできず、親から食事を与えられなければ生きていけません。貰うことしかできないのであり、地獄的な生き方です。今生きている人は、それでも育ててもらった人です。赤ん坊のまま、わがままに育ってしまうと貰うことしか考えない人になります。


奪うだけの人は、嫌われます。奪われれれば気分が悪いし、与えられれば嬉しくなります。奪う人より与える人と仲良くなりたいと思うものです。嫌われたくない人は、人になにか与えることができないか考え、行動しましょう。そうすれば地獄から遠ざかります。行動しだいです。





経済方式貰う(-)か与える(+)か人の構成略称暮らしやすさモデル嫌われるか好かれるか
上意下達方式(-)のみ奪い合う人々地獄暮らしにくいイースター島嫌われる
交換経済(-)と(+)が同じ等価交換する人々人間界暮らしていける市場社会嫌われも好かれもしない
贈与の文化(+)のみ与え合う人々天国暮らしやすいハッカー好かれる


松浦彰夫 拝



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このページは、松浦彰夫が2008年11月16日 13:01に書いたブログ記事です。

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